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【試験投稿】丘の家のミッキー

上智大学インターン

久美 沙織

主人公である浅葉未来(あさば みく)は、東京都心にあるカトリック系の超お嬢様学校『私立 華雅学園』の中等部の生徒。周囲からは洗礼名である“ミシェール”と呼ばれている。この学園には、家柄・住居の場所・保護者の職業など、一般に一流のセレブと言われる条件を兼ね備えた者のみが選りすぐられ、籍を置くことが許される「ソロリティー」という社交クラブが存在している。未来は幼なじみの琴子(通称:トコ)と共にソロリティーに所属していることが誇りである。また、クラブの代表である上級生の麗美に崇拝にも近い憧れを抱いている。

温室のような学校で何不自由なく学園生活を送っていた中等部3年の4月の末、未来に青天の霹靂が訪れた。父・譲吉が現在の住まいのある千代田区三番町のマンションを手放し、神奈川県葉山の近くに、海に面した広い庭付きの一戸建てを購入、一家で引越すと宣言したのである。父の長年の夢だったという。しかし、未来は大反対。華雅学園には通学距離の制限があり、中等部の生徒は通学に掛かる時間制限もされていたためだ。また、通学圏内であり、親戚宅であっても、肉親以外の家庭に身を寄せての通学も認められておらず、未来は転校を余儀なくされることになった。転校先は、新居から程近い『私立 森戸南女学館』という中高一貫の女子校であった。

転校初日から、それまでの生活や学校内での振舞いの違いにカルチャーショックを覚え酷く落胆する。暫く立ち直れない日々が続いたが、気風の良い同級生・西在家麗(にしざいけ うらら)と親しくなり、クラスにも馴染んできた。しかし、父とはまだギクシャクしたままで素直に会話が出来ない。

そんなある日、父は近くに住む高校生たちに、家の桟橋と船小屋を小さなヨット・ディンギーのベースとして提供する。その高校生の中の一人に、麗の兄・朱海(あけみ)がいた。人当たりが良く爽やかな美少年の朱海は気さくに未来に話しかけるが、女子校育ちで同世代の異性と話をしたことがない未来は戸惑ってしまう。それでもディンギーを接点として顔を合わせる時間を重ね、徐々に打ち解けていく2人。メンテナンスを施されたヨットに朱海は未来の名前から“ミッキー”と名付けた。以来、未来のことを朱海は「未来ちゃん」と呼ぶが、麗は「ミッキー」と呼び始め、伝播するように森戸南の友人もミッキーと呼び始めた。

ソロリティーの仲間も遊びに来たディンギーの進水式の日。未来は、ミシェールと呼ばれる自分とミッキーと呼ばれる自分、どちらも自分であることに変わりはないのだと気付く。また、この葉山の家は未来が幼い頃に夢見ていたものであったこと、“それを叶えることが長年の夢だった”父の優しさに気付くのだった。

Wikipedia日本語版「丘の家のミッキー」2023年12月6日 (水) 01:28の版より
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